『こんにちは。お取り込み中だった?』



この声は広瀬先生だ。



今日カウンセリングの日だっけ。



近頃は週に一回程度のカウンセリングを受けている。



受けているというよりは、受けさせられていると言った方が正しいかもしれないが。



『いや、大丈夫だよ。』



私が答える前に山瀬先生が答える。



すると広瀬先生が山瀬先生を部屋の外に呼ぶ仕草をする。



何かあったのだろうか。



私に用があったのではないだろうか?



そんな考えを巡らせていると、二人が何ごともなかったかのように戻ってきた。



まず口を開いたのは広瀬先生だった。



『ゆうかちゃん、次は僕から聞くけど、なんのためにここにいるの?』



なんか人が変わったような、声色に自然と背筋が伸びる。



デジャヴを感じる。



『えっと。

......』



相変わらず表情は変わらない。



『僕は最近、遠目からゆうかちゃんのことを見てた。表情が明るくなったと思うし、話してくれることも増えた。だから、色んなことに前向きになれるんじゃないかなと思ってた。

ゆうかちゃんとしてはどう?』



どうって、なんか怖い。



天使のような広瀬先生に怒られてたら、私、






終わる。