陽も次第に落ちる時間帯。



目の前にいるのは山瀬先生。



ものすごく怖い表情をしている。



何が悪い宣告でもされるのだろうか。



『ゆうか。』


『なに....』


恐る恐る返事をする。






『ただの風邪だ。』



『え?』



風邪。



なんでそんなくらい顔で。



すると突然笑い出した。



『どうしたの?キョトンとして。』


『風邪ならなんでそんなくらい顔してくるの!

冗談がすぎるよ!』



どこかほっとしてしまって、涙が出た。



『ごめん。ふざけすぎた。



笑ってもらえるかと思って。』



『こっちは不安と闘ってるのになんでそういうことするの!本当最低、信じられない。』



枕を力一杯投げつけた。



先生はそれをキャッチする。



私も、いくら私でもひとりの患者。



いつも不安であることは間違いない。



『先生が.....そばにいても.....怖いの.....。


いつ再発するかとか........また...


苦しくなるかとか.........。


先生が..いないときはどうするの......


ずっとそばにいて欲しいの。』



本音をぶつけてしまった。



こんなこと言っても仕方ないのに。