手が優しく背中に触れる。



『ゆうか、動けそう?このままがいい?』



『うん。』



山瀬先生は言わずともわかってくれる。




『横になった方が楽だと思うよ。ベッドまで頑張れない?』



『.......。』



『体起こせる?』



支えられて起こす。



目眩が酷い。



私の額にそっと手を置く。



目眩の時にいつもしれくれることだ。



少しだけ緩和される気がする。



『深呼吸して。よくなるよ。』



すると私の肩を持ってベッドに誘導する。



やっぱり横になった方が楽だった。



こういうときの山瀬先生は天使に見えてしまう。