『ゆうかちゃん、好かれてるね。』



広瀬先生が言う。



『アンパンマンシール貰っちゃいましたよ。返したほうがいいですかね。』



『ありがたく貰っておけば?点滴の時に山瀬先生に貼って貰えばいいじゃない。』



最近の広瀬先生は冗談が過ぎる。



『からかわないでくださいよ。』



少しだけ嫌みを含んだ視線を向ける。



『我慢してない?大丈夫?』



広瀬先生までも、お節介だ。



『大丈夫ですよ。皆んなして何なんですか。』



『山瀬先生にきつく言われてるからね、絶対に無理はさせるなって。体調崩したら責任取らせるとまで言われましたよ。』



山瀬先生もそこまでいくと脅迫に近い。



『私のせいで、すみません。』



『いつものことだから。大丈夫。』



笑顔で言う。



『いつものこと?』



『そう。山瀬先生はゆうかちゃんに接する人にはいつも......』


『広瀬先生?余計なこと言わなくていい。』



同時に振り向くと、立っていたのは山瀬先生だった。



『山瀬先生!いつのまに。』


『いつの間にじゃないよ。そんなこと俺の患者にいちいち言わなくていいから。』



そういうと、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。



少しだけ嬉しい。



いや、とっても嬉しい。



笑みが溢れてしまう。



それに気づいた山瀬先生が、



『何?こうされるの嬉しいわけ?やっぱり子供だな。』



図星をつかれて、恥ずかしくなって俯く。



『プレールームにいても、違和感ないですね。』



また広瀬先生が余計なことをいう。



『本当は小児科向けだけど、プレールーム解禁する?』



山瀬先生はひどい。


バカにしすぎだと思う。


『結構です!私は卒業したの!』



頬を膨らまして訴える。


二人は相変わらず笑っていて。