ウソつき彼氏とニセ恋愛





「まあそれで…いろいろあって……」



そこで、昴くんの口が閉ざされた。



お母さんのときの話をするよりも…
もっともっと辛そうな顔して。



「……昴くん、待ってて!」



きっと、引っかかってるのは家族のことだけじゃないんだ。



何かが引っかかってるんだけど、

今は聞かないほうがいいと思って、
私はその場から逃げるように走って

自動販売機でコーヒーを買ってきた。



甘いのが苦手だから、もちろんブラックで。



缶コーヒーを2個持って、
昴くんの元へと戻る。