放課後、HRが終わってすぐに昴くんは私の元へ来た。
「じゃあ、帰ろっか!」
「うん!」
鞄を持って2人並んで歩く。
教室を出てすぐに、後ろから、昴!って…女の子の声が聞こえて、
私たちは立ち止まった。
「ねえ、昴〜。
そろそろあたしとも遊んでよ?」
「んー、ムリかな」
「なんでー!?前はいつも遊んでくれたのに!」
本当にたくさんの女の子と遊んできたんだね…昴くん。
会う人会う人に声かけられてるんじゃって程
いろんな女の子から遊びの誘いがある。
だけど、その誘いはいつも断ってるんだ。
「俺、カノジョいるし」
「カノジョがいても、遊べるでしょ?」
「んーん、ダメなんだよー。
隠れて悲しんじゃうから、ちゃんと俺が見ててあげないとダメなの」
昴くん、そんな事を考えてくれてたの?
……そんなの、嬉しすぎるよ。
私の事を考えてくれてるだけで、十分だよ。


