「新作の試食だからね、お金はいいよ」



「でも…」



「気持ちだけ頂くね。
千夏ちゃんには、お世話になったからな。
私も、昴も。」



なんだか真人さんの表情は、
前より優しくなった気がするんだ。



きっと、真人さんも、変わったんだろうな。



昴くんが、勇気を振り絞って一歩進んだから、
だかきっと……。



「12月7日は開けておけよ、昴」



「…うん。どこ行くの?」



「男2人旅なんてどうだ」



「賛成」



……12月7日…?

テスト終わって、全ての返却も終わって、
終業式まで休みのテスト休み中だけど…。



「その日、俺の誕生日!」



「…え!?」



この日初めて、
昴くんの誕生日を知りました。



今まで知らなかったなんて、


……私、ダメな彼女だな…。