「新作でも出すの?」



「まあな。千夏ちゃんに向けての新作だが」



千夏ちゃんに向けての…?

じゃあこれは、千夏ちゃんのための?



ノートを覗き込むように見ると、
いろんな案が書かれていて、必ずどの案にもいちごを使ってた。



「…っていうか、いつから千夏ちゃんって呼ぶようになったの?」



「私が勝手に最近呼び始めただけだ」



嫉妬か?なんてクスクスと笑うから、
無視をした。



「新作は、2個だ」



「2個も作るんだ」



こんなに父さんと話さない。

でも…
千夏ちゃんに魔法でもかけられたのかな?



なぜか、話しかけちゃうんだ。