「ちづちゃんの王子様役も楽しみだなぁ!」 「あ、それは俺も行くから待ってて」 弘乃くんはそういうと、 走って教室を出て行ってしまった。 多分、更衣室行ったのかな? 「……ねえ、弘乃の執事姿には “かっこいいね!”って言ってたのに、 俺にはなしー?」 その言葉を聞いて昴くんの方を見ると、 口を尖らせて拗ねていた。 「そ、そういうことじゃないよ! だって………」 「だって?」 言えない……。 見惚れてて、恥ずかしくなって 言いそびれちゃったなんて。