「ひ、弘乃くん……っ!」



「なんで昴と別れた?」



弘乃くんと、久しぶりに目があった気がした。



その目からは、怒りと悲しみと、
“何がしたいんだ”という思いが見えた気がする。



「だから……それは前にも聞いたで…」



「あんなウソ、俺に通じると思ってるワケ?」



……そうだった。

弘乃くんには、ウソはほとんど通じなくて
いつもいつも見破られてたっけ。



それでもやっぱり、言いたくない。



言ったらきっと、涙が止まらなくなるから。