花は、走り終わった後
俺のところへ、笑顔で駆け寄ってきた。
「先輩!ありがとうございま巣!走りやすかったです!」
と深くおじぎをしていた。
俺は、こんな些細なことで
バカみたいにおじぎをする花がおもしろく見えて、笑ってやった。
でも、どこかでこいつに癒されている俺がいた。
ここのところ、不調で、自分の走りができていなかった。
どの大会でも自分の自己新記録を出せず、タイムは落ちていくばかり。
だが、
花を見て、走れそうな感じがした。

花の走りうぃ見て、少しだけ
昔の自分の走りを思い出したような気がした。