「ひかりー!朝よ!」



耳元で、お母さんの声。



わたしは、布団をズルズルと持ち上げて、頭まですっぽりと被る。



「こらっ!ひかりぃ!」



パッと視界が明るくなったかと思えば、目の前にあるのは台詞とは真逆の、心配そうな顔をしたお母さん。



「ほら、顔洗ってきなさい。」



「ん…」



わたしはのろのろと起き上がり、カーディガンを羽織ると部屋を出て、洗面所に向かった。