「高校なんぞ行くわけねーだろ」

「えー!なんで?楽しいよ?高校」

「お前だけ。あんなところ行っても欲にまみれた人間がわんさかいるだけだ。」

「友達のこと言ってるの?」

「肩書きだけのな」

「……ワケわかんない」

「お前がな」

まなは怒ったように頬をふくらませると、俺からコントローラーを奪い取った。

「おい!」

「そう兄、いつからこんなになっちゃったの?前は普通に学校行ってたじゃん!」

「気付いたんだよ。」

「えっ?」

不思議そうにこっちをみるまな。

「いいか?この世は弱肉強食。それは動物の世界だけで言えるものじゃない。人間だって一緒だ。権力の強いものが上に立ち、権力の弱いものが下に陥れられる。つまり、俺は下にいるんだよ」

「そう兄は自分で勝手に下にいるだけでしょ」