「爽ちゃんがね、」 「爽ちゃん、すごいんだ!」 「爽ちゃんってカッコイイ!」 聞き飽きた。 お前の口からの「爽ちゃん」って言葉。 どんなときもお前の口から出るのは、あいつの名前。 なんで俺じゃなくてあいつ? あいつなんかのどこが良いんだよ。 成績だって俺の方が上だ。 運動だって俺の方が上。 身長も器用さも要領も全部俺の方が上。 なのに、お前は一度も俺を見てくれなかった。