モヤモヤしたまま、私は学校に向かっていた。

頭からこびりついて離れない、爽ちゃんのこと。

どうすればいいんだろう……。

考え込んでいたとき、ぐいっと肩をつかまれた。

「おいっ!!」

振り返ると、そこには焦った顔の陸人。

いつのまにか伸びた身長が私を見下ろす。

「陸人……」

「お前どこみて歩いてんの。赤信号」

どうやら赤信号に気づかず、突っ込んでいこうとしていたらしい。

「ごめん……。ありがと」

笑って見せたのに陸人は難しい顔をしたまま。