「おお!!これは!!長年見つからなかったゾンビゲームのカセット!俺、これの世界チャンピオンなんだよ!」
「え!そうなの?すごい!」
「おう!そのおかげで毎日毎日女の子からのメールが来るんだよ!まだ俺の世界記録を破ったやつはいないはずだ!くーっ!今からやろーっと!」
「だーめっ!!」
カセットをパソコンに入れようとした俺を愛梨がとめた。
「爽ちゃんも部屋綺麗にするの!」
「俺はこれでいいんだよ」
「私がだめ!」
「なんで!?」
「住む環境から変えないと、爽ちゃん、学校に来てくれないでしょ!?もう我慢できないのよ!」
ゴミ袋を渡され、俺はしぶしぶ部屋を片付けることに……。
片付けないと帰ってくれないんだろうな。
ったく、めんどくせーやつ。
俺は「へいへい」と片付けようとしたが、
「愛梨……」
「なに?」
「……1回だけやってもい?」
カセットを入れながら俺は聞いてみた。
やはり、誘惑には勝てない。
そのあと、愛梨からパソコンの電源を切られたことは云うまでもない。

