「次、どうする?」




京子は、「Swing」のリズムに合わせて首を振りながら聞いた。




「んー、まあでも、もう今治は満喫できたんよね」




慎平は、さすがに時間も時間であるので、「そろそろ帰りますか」のつもりで言った。本当は、まだ一緒にいたいのだが、京子の明日の予定までは知らず、クリスマスイブとはいえ、もし、バイトがあれば、早めに切り上げて、寝かせてあげたいし、クリスマスイブに一緒に過ごす相手がいるなら____まあ、どちらにしても、もうすぐ1:00を回ろうとしている。




「そうなん? もう行きたいとこないん?」




「うん。言っても、小学6年生から中学卒業までしかおらんかったし、今治は、もう十分……」




「え? 今治で生まれ育ったんやないん?」




「違うよ。生まれたんは、広島で、育ったんは愛媛やけど、小学校5個くらい行っとる」




「そうなん? 初めて知った」




「初めて言ったけんね」