慎平は、京子に2度告白をしたことがある。




中学1年生の時で、その頃は、京子とは別々のクラスで、小学校も違った。




慎平が京子を知ったのは、陸上部で練習をしている時だった。練習している姿、笑っている姿に一目惚れしてしまい、一目惚れをしてしまった以上、仲良くなりたい、付き合いたいと思うもので、慎平もその「常識」の中にいた。




まず、仲良くなるには、メールをするのがいいと思った慎平は、何とか京子のメールアドレスを聞きたかった。




ただ、直接聞くわけにもいかず、かと言って、友達に頼もうにも、その友達が京子のメアドを知っているとも限らない。




結局、慎平は、会話の中で、京子のメアドを知っている人を見つけ出し、そいつに京子が好きだということは、言わずに、メアドを教えてほしい旨を伝えた。




「お前、京子のことが好きなん?」




とそいつから言われ、慎平は、「なんでわかるん?」と聞いてしまった。




「そりゃわかるよ。メアド知りたいって時点で、好きってことじゃん」




まったく、日本語というものは、すごいなと慎平は、感心し、それと同時に好きな人がばれてしまったことに、恥ずかしくなった。