慎平は、自分のしていることに、驚き、パッと手を放した。京子も、校門にかけていた手をスルリと放し、「とりあえず、外周回ってみようか」と言って、右へ歩き出した。慎平も付いて歩く。




「外周よく走ったよね」




京子はスキップをした。陸上部ということもあって、フォームが非常に綺麗である。




「ねえ、サッカー部も結構走っとったよね?」




「まあね、だいぶ、走らされたよ」




サッカー部では、声を出さないだけで、学校の周りを囲む道、500メートルとちょっとを走らされる。そして、帰ってきて、再び練習をするのだが、また声が小さいと走らされる。散々走らされた後に、〆のラーメンと言わんばかりに、外周を走らされる。5周ほどだろうか、走らされる。




「陸上部並みに走っとったよね」




「ほんとそれ」




ちなみに、陸上部は、冬場は、延々と外周を走っていたイメージが慎平にはある。