勘定は、慎平が払う予定でいたのだが、京子が譲らなかったので、割り勘になった。




男としては、車まで出してもらい、飯代くらいは出したかったが、京子は、「東京バナナのお返し」と言ったので、慎平は、それで納得した。




水色のタントのBGMは、さすがに「オー!リバル」から「愛なき」に変わっていた。ポルノグラフィティである。




「それにしても『愛なき』が入ってるってすごいね」




「結構好きなんよ、ポルノ」




まあ、あれだけスシローでも口ずさんでいたのだから、そうだろうなと慎平は思ったが、同時にきっかけも知りたくなって、聞いてみた。




「え? 好きになるのに理由があるん?」




とんだ名言が返ってきた。