キリトリセン

その瞬間


ポキッ


枝の折れる音が妙に大きく聞こえた。


普段なら聞こえもしないだろう音はこの静けさに満ちた朝ならよく響いて。



誰かいるのか、と急いで後ろを振り返るがそこには誰もいない。





「帰ろ..」

少し気を張り詰めすぎたのだろう。

ただポキッという音がしただけ。



そう言い聞かせる。




帰らなきゃ、という事実を思い出し自転車に跨る。