とある古びた商店街、今やそのほとんどがシャッター通りと化しているのだがこのシャッターどうりを進んだ先にこの町の中心部があるのでそのおかげで何とかここの経営は成り立っているという状態だ。
 その古びた商店街の一角に店を構えるのが俺の親父が経営する漣酒屋店。(さざなみ酒屋店)
 今日は土曜日でいつもどうり親父の手伝いをし、重たい酒を悪態つきながら運ぶそんないつもどうりの休日だった。
 そう、そのはずだったのだ。
 悪態をつきながらやっとのことで終わった重労働にため息をつきながら家へと帰る途中ただそれだけだったのだ。
 ――彼女を見かけなければ。