「まだ起きない?そろそろ起きよ?」
じっとりと汗ばむ季節の中、今は夏休み。中2の夏はいつもと変わらない生活が続いている。例年通り、宿題には手を付けていない。どこかへ旅行へ行くわけでもなく、家でゴロゴロしてるだけ。
あ、ちなみに。わたしたち家族と楓斗は一緒に住んでる。家族同然ってやつ。そしてわたしの日課は、楓斗を起こすこと。
なんで夏休みの朝っぱらから楓斗を起こしてるのかと言うと、面倒な登校日だからを
「…今日行かないから、あっち行って」
やっと起きたと思ったらこれか、サボり魔め。そうはさせんぞ。
「は?行かないとダメなの」
「うるさいブス」
「遅れるよ」
「行かない」
一筋縄ではいかない。こいつを起こすだけで、1日分の体力の半分は使うかもしれない。
「ね、久しぶりに皆に会えるんだよ?」
「どうせ新学期から会える」
「早めに会えるんだよ?」
「寝るから黙って」
「〜〜ッ!あのね!起こしてやってんのにその態度はないでしょ?!」
「ブスな上にうるさいからモテないんだよ。わかった、行ってあげる」
「あ、ありがとう」
「ん。いい子」
いやなんでお礼言ってるんだろう。口だけは強いんだから、楓斗。細いし絶対喧嘩は弱いと思われる。
朝食を食べ終えて、全ての準備が整い、学校へ向かう。一緒に住んでるから、学校へはいつも2人で登校している。そのせいで誤解されたりするんだけど、一緒に住んでるって説明をする。ただそこでもっと誤解を深めてしまったり…。
「お前さ、いっつも準備遅すぎな?もっと早くしろよ」
「わたしだってね、女の子なんだから色々あるの」
生まれつきくせ毛のわたしは、ストレートパーマをかけてるけど、最短で30分、最長1時間にヘアアイロンをする時間が必要。
「誰も女として見ないから心配すんな」
「失礼だなこら」
「だってそうだろ?」
「くっそ」
暑いな〜とぼーっとしていると、楓斗が唐突に変な質問をしてきた。
「美都ってさ、告られたことある?」
なんだ、そんなことか。誰でもあるでしょうよ。
「そりゃ、あるよ一応」
「へぇ、物好きもいるんだな。で、何人?」
「そんなの覚えてないよ」
「覚えてない?!」
いちいちそんなの覚えないでしょ。何人に告られた〜とか言ってるやつ、大抵嘘だし。
「どんだけ告られてんだよ」
「それは楓斗に言われたくないね」
こいつはなんだかんだで、学校一モテてる。おそらく、この性格はわたし以外の前では出さないからだと思う。皆は楓斗の本当の性格を知らないから、そんな夢中になれるんだよ…。
でもあれだけモテてるのに、彼女できたことないんだよね、不思議。
まあ彼女できたらわたしが守れなくなるし、それはそれでいいんだけど。いや、待てよ。もしかしてホモ?ホモなのか?だから女の子に興味ないの?
ふと楓斗を見てみると、謎にそわそわしていた。
「俺さ、ちょっと噂聞いた」
「どんな?」
「2学期から転校生来るらしい」
「そうなんだ」
転校生?!って一瞬思ったけど、あんまり関心がない。どうせあれでしょ、最初はちやほやされる。でも日が経てば放置されるようになるって感じ。
「興味ねえの?」
「うん、全く」
「普通女子ってさ、イケメンかな?♡とかあるだろ」
イケメンだろうがなんだろうが、わたしには関係ない。きっとこれから誰のことも好きにならないだろうから。
「どうでもいい」
「そ、その、転校生を好きになるパターンってよくあるじゃん」
「あるわけない」
「ま、お前みたいなブス相手にされるわけないか」
「そ、相手にされない」
「…なんで美都って傷つかないわけ?」
楓斗ってわたしのこと傷つけたくて、そんな態度とってるの?それとも、傷ついてるかなって気にしてるの?意味が分からなすぎて、口がポカーン。
「ほんとメンタル強いのな」
「楓斗の傍に居るのはね、かなりメンタル強くないと無理だよ」
「俺モテるもんな」
「よくお分かりで」
そりゃね、あれだけモテてる奴と一緒に居るのはね、メンタル強くないと。現在進行形で妬まれてるし。大丈夫、これからもずっと一緒に居るから、こんなことには慣れてなくちゃ。
でもわたしは知らないんだ。この関係が崩れていくことを。
じっとりと汗ばむ季節の中、今は夏休み。中2の夏はいつもと変わらない生活が続いている。例年通り、宿題には手を付けていない。どこかへ旅行へ行くわけでもなく、家でゴロゴロしてるだけ。
あ、ちなみに。わたしたち家族と楓斗は一緒に住んでる。家族同然ってやつ。そしてわたしの日課は、楓斗を起こすこと。
なんで夏休みの朝っぱらから楓斗を起こしてるのかと言うと、面倒な登校日だからを
「…今日行かないから、あっち行って」
やっと起きたと思ったらこれか、サボり魔め。そうはさせんぞ。
「は?行かないとダメなの」
「うるさいブス」
「遅れるよ」
「行かない」
一筋縄ではいかない。こいつを起こすだけで、1日分の体力の半分は使うかもしれない。
「ね、久しぶりに皆に会えるんだよ?」
「どうせ新学期から会える」
「早めに会えるんだよ?」
「寝るから黙って」
「〜〜ッ!あのね!起こしてやってんのにその態度はないでしょ?!」
「ブスな上にうるさいからモテないんだよ。わかった、行ってあげる」
「あ、ありがとう」
「ん。いい子」
いやなんでお礼言ってるんだろう。口だけは強いんだから、楓斗。細いし絶対喧嘩は弱いと思われる。
朝食を食べ終えて、全ての準備が整い、学校へ向かう。一緒に住んでるから、学校へはいつも2人で登校している。そのせいで誤解されたりするんだけど、一緒に住んでるって説明をする。ただそこでもっと誤解を深めてしまったり…。
「お前さ、いっつも準備遅すぎな?もっと早くしろよ」
「わたしだってね、女の子なんだから色々あるの」
生まれつきくせ毛のわたしは、ストレートパーマをかけてるけど、最短で30分、最長1時間にヘアアイロンをする時間が必要。
「誰も女として見ないから心配すんな」
「失礼だなこら」
「だってそうだろ?」
「くっそ」
暑いな〜とぼーっとしていると、楓斗が唐突に変な質問をしてきた。
「美都ってさ、告られたことある?」
なんだ、そんなことか。誰でもあるでしょうよ。
「そりゃ、あるよ一応」
「へぇ、物好きもいるんだな。で、何人?」
「そんなの覚えてないよ」
「覚えてない?!」
いちいちそんなの覚えないでしょ。何人に告られた〜とか言ってるやつ、大抵嘘だし。
「どんだけ告られてんだよ」
「それは楓斗に言われたくないね」
こいつはなんだかんだで、学校一モテてる。おそらく、この性格はわたし以外の前では出さないからだと思う。皆は楓斗の本当の性格を知らないから、そんな夢中になれるんだよ…。
でもあれだけモテてるのに、彼女できたことないんだよね、不思議。
まあ彼女できたらわたしが守れなくなるし、それはそれでいいんだけど。いや、待てよ。もしかしてホモ?ホモなのか?だから女の子に興味ないの?
ふと楓斗を見てみると、謎にそわそわしていた。
「俺さ、ちょっと噂聞いた」
「どんな?」
「2学期から転校生来るらしい」
「そうなんだ」
転校生?!って一瞬思ったけど、あんまり関心がない。どうせあれでしょ、最初はちやほやされる。でも日が経てば放置されるようになるって感じ。
「興味ねえの?」
「うん、全く」
「普通女子ってさ、イケメンかな?♡とかあるだろ」
イケメンだろうがなんだろうが、わたしには関係ない。きっとこれから誰のことも好きにならないだろうから。
「どうでもいい」
「そ、その、転校生を好きになるパターンってよくあるじゃん」
「あるわけない」
「ま、お前みたいなブス相手にされるわけないか」
「そ、相手にされない」
「…なんで美都って傷つかないわけ?」
楓斗ってわたしのこと傷つけたくて、そんな態度とってるの?それとも、傷ついてるかなって気にしてるの?意味が分からなすぎて、口がポカーン。
「ほんとメンタル強いのな」
「楓斗の傍に居るのはね、かなりメンタル強くないと無理だよ」
「俺モテるもんな」
「よくお分かりで」
そりゃね、あれだけモテてる奴と一緒に居るのはね、メンタル強くないと。現在進行形で妬まれてるし。大丈夫、これからもずっと一緒に居るから、こんなことには慣れてなくちゃ。
でもわたしは知らないんだ。この関係が崩れていくことを。
