「ま…ほちゃ…んっ!?」

美亜は自分の声で跳ね起きた。


ドクン ドクン

心臓が全速力で走った時のように激しく鼓動を打つ。


「そう言えば…」

真っ赤に染まっていた右手はどうなった…?


右手を見つめる。


あんなにべったりと付いていた血は、1滴もない。

「あれは…夢…?」


その時、窓も開いていないのに、強い風が吹き付けた。

置きっぱなしの教科書や台本、彼女が好きなアーティストのCDが舞い飛ぶ。