記憶のその先

ていうか……ここ、ヤクザの家…だよね……






こ…怖い!







ビクビクしながら長い廊下を歩いていると







少し奥の部屋で話しをする声が聞こえた







りゅう君……?








私は近づき、そぉ〜っと襖を開けると







目の前に美女と見るからに黒いオーラを放っている怖い人がいた







ひぃっ、こ…怖いよぉ







こっちに気づいた







「ご…ごめんなさぁい!!!」






私が去ろうとすると







〈君!待ちなさい。〉







ぴしっ、私の体はその一言で固まってしまった







〈君は……雛乃ちゃんだね?立花さんの娘さんの〉







「は…………は…い」







〈ハハハハ、そんなに固くなることはない、さぁ入っておいで〉







あれ?見た目ほど…強くない…?







私は部屋に入った







〈私は龍牙の父親の黒夜彰人(あきと)だ。そんでこっちは私の妻の瞳だ〉






〈よろしくねえ〜、雛乃ちゃん〉






綺麗な声で瞳さんが言った









「た…立花雛乃です!よろしくお願いします!」








〈初対面でこんなこと言うのもあれなんだが、もう私たちは家族だよ〉








「え……?」







〈龍牙の話と調べで雛乃ちゃんの家のことはよくわかっている〉







〈辛い思いをしてきたんだね〉








「…………」