記憶のその先

でも…私の中には少し嬉しいと思う部分もあった







だってこの家から出ていけるんだもん







「りゅ…りゅう君!でも勝手に出て行ったら怒られちゃうよ…?」







『あぁ、そこんところはお前の親父さんに話しつけてある』








え、じゃあ本当にこの家から出ていけるの…?







ほんと…に?








「りゅう君……あり…がと……」








『泣くなって、お前は笑ってりゃいいんだよ』







「う…うん!」







『大丈夫だ、俺が必ずお前を守ってやるから』







その言葉を聞いて私は涙が枯れちゃうんじゃないかと思うぐらい泣いてしまった