記憶のその先

龍牙said







〈若、やっと雛乃様を見つけました〉







『あぁ、よくやった。明日からその学校に転校する。もう下がれ。』







〈承知。〉







やっとだ…やっと見つけたぞ、ひな








〈おーい、お前らー、今日は転校生が来ているー、彼は黒夜龍牙君だ。両親の都合で引っ越してきたそうだ、みんな仲良くしてやってくれよー、んじゃ、解散ー〉






ひな、やっと会えた……







早く抱きしめてやりてぇ







いや、抱きしめてぇ








昼休みひなが教室を出て行くのが見えた








毎回女子がきゃあきゃあしてくるのがうぜぇ、そんで香水臭。







早くひなを追いてぇのに






気分悪りぃ







ひなを見失ったじゃねーかよ







はぁ







女どもがついてくるし…







女どもから逃げるように屋上に行くと








茶髪の男が誰かともめている







興味はねぇ







「………わ……わたし………は……」







ん?この声……ひな!







『俺の女に汚ねぇ手で触んな』