記憶のその先

2人で教室に戻ると







みんなの視線がバッとこちらに向けられる







みんながこそこそと話をしている








それはそうだよね……







もうクラスのアイドルだもんねりゅう君…






こんな私といたら笑われちゃう…







クラスの女子は私をドンッと押すと







〈黒夜くぅ〜ん、こんなブスと帰ってくるなんて可哀想に〜







これから私たちカラオケ行くんだけど一緒にいかな〜い?♡〉








きつい香水の匂いと甘ったるい声でりゅう君を誘う








りゅう君は殺気を立てて








『うぜぇ、寄んな』







〈え…え?黒夜君、どうしたの?〉







クラスのみんなは目を見開いて驚く








そしてその異常な殺気に怯える







そしてりゅう君はさっきとは考えられないくらい優しい声で







『ひな、帰るぞ』







「う…うん」







クラスの女子の睨む顔が怖い……