記憶のその先

〈あ゛?お前だれだよ?〉







『その汚ねぇ手をどけろっつってんだよ』







さっきよりももっと殺気立ててより低い声で言った







それはだれが聞いても怯むぐらいに鋭かった







〈……ぐっ…〉







茶髪男は怯んだのか私の腕を離した







『ひな』








私は手を引かれ黒夜の胸にスポッと包まれた






「黒……夜…?」









なぜか私は黒夜に触れても拒否反応は出なかった







ただただ不思議でならなかった







それになぜ、私の名前……