記憶のその先

私の手足は震え、目からは涙を流す寸前だった







私はその場を立ち去った







走って走って






もう本当に私の居場所はなくなってしまったのだろうか







「……うぅ…ひっく……うっ」






「なんで……はるとぉ…なんで……なの……うっ…」








これが私の過去、あ、もう1つあった







私が高校に入学したばかりの時







私に友達ができた







すごく優しくしてくれた






〈ねぇねぇ、雛乃ちゃん!一緒に帰ろー?〉






嬉しかった






「うん、いいよ」






本当に嬉しかった







〈ねぇなぇ、雛乃ちゃん、今日も家に遊びに行っちゃだめなのー?〉






その子は何度か私の家に遊びに行きたいと言った







でも……






兄が帰ってきたら……







そう思うとどうしても「いいよ」とは言えなかった






少し経って、その子は私を無視し始めた






喋りかけてもすぐにどこかへ行ってしまった