キーンコーンカーンコーン…

今日もギリギリセーフ。本鈴1分前に自分の席につく。

「奈央またギリギリだったでしょー(笑)」

ホームルームが終わって声を掛けてきたのは、親友の由紀。
私の良き理解者であり、唯一無二の存在。

「あ、てか奈央。今日の学活、席替えするらしいよ??」

「え、そうなの??近くなればいいけどねー(笑)」

こうやって、他愛もない話をする。
この一時が好きだったりするんだよね。

この席替えこそが私と彼を近付ける運命の扉だとも知らずに。