京弥side
今日は、奈央の様子が変だった。いや、あいつがおかしいのはいつものことなんだけどさ。何言っても、すぐに会話が終わる。ボーッとしてて、俺的にはすごく気掛かりだった。いつの間にか放課後になってて、いつものメンツで学校の中にある溜まり場に向かう。でもこの時。やっと奈央が今日変だった理由が分かったんだ。

「あれ、奈央??と誰だ…??」

「んー??京弥、どした??ってあれ、奈央じゃね??隣にいるのは、、倉木奏ってやつじゃねーの??」

「なんか聞いたことある名前だな。ってか類、お前なんで知ってんだよ!?」

「いや、あいつら付き合ってたじゃん??てか、倉木くんは多分奈央のことずっと好きだったんじゃねーの??小学校一緒だったし。別れたって聞いてたけど、ヨリ戻したんかいな??結構真面目な話してるっぽいけど。」

「もしかして奈央が中1のときに付き合ってたってやつ??」

「ビンゴ。」

「…なるほどね。」

これか。奈央が上の空だった理由。奈央はまだ、あいつのことが好きなんだろ。今日会えるから、ボーッとしてたっつーわけか。遠目だから何話してるかは分かんねーけど、親密っぽいし。

俺がこの日、奈央にメールを送らなかった。なんかムカついて。でもムカついてる理由が自分でも分かんなくて、イラついてた。