そんな京弥は、重要なことを忘れていて、2人で大慌てしたことがあるんだよね…
それは…英語のスピーキングテスト。
教科書を読むだけなんだけど、英語が大の苦手の京弥は、1つも受けていなかった。

今はもう12月。終業式まで時間が無くて、先生に今日中にスピーキングテストが終わらなかったら、評価を1にすると言われていた。
(てことは実質、高校には大体受かりません)

「奈央…助けてくれー!!(泣)」

「きょーうーやー!?(怒)なんでこんなに溜めたの!?1つくらい受けてると思ってたのに!!」

「んなこと知るか!!とにかく助けろ!!」

「ったくもう…教科書貸して!!」

「はい!!」

───昼休み
「出来…たかな!?」
私はというと、京弥の教科書に全部読み仮名ふり終わったところ。
つまり、あとは京弥次第ってこと。

「京弥!!ほら!!」
ちなみに京弥はいつものごとく自分の席で寝てました。

「ん…お、おぉ!!奈央、この短時間で全部やってくれたわけ!?やっぱお前天才だわ!!すっげー!!サンキューな!!」
って満面の笑みを浮かべる京弥。
私は、あぁ、好きだなぁって痛感する。

そして放課後。心配だったから、私までなぜか残っちゃって。コッソリ京弥がテスト受けてるのを聞いてた。
そしたら…
先生「あら??中川くん。スラスラ読めてるじゃない。」

「あ、そうっすか??まーこんなもんっすね!!」

ってやり取りが聞こえて。

帰ってやろうかと思ったけど、その途端京弥がこっちに歩いてきて、

(サンキュー)
ってボソッと言ったんだ。