『歩美side』
不覚。
私としたことがあいつらの前で笑ってしまった。
もぅ最悪だ~。
「どうしたの?あゆみん?元気ないよ~?」
「・・・。あいつらの前で笑ってしまったんだよ」
「?。あいつらって?」
「あいつ。なんとか尚人っていうやつと、なんとか咲夜っていうやつに。」
「うそーーーーー?!!!!ちょーーーイケメン達2人に?!」
「・・・・・・。」
「あゆみんの笑顔ちょーーー可愛いのに?!!」
「は?何言ってんの?バカだろ。お前。」
「あゆみんの方がバカだよ?!無自覚なのも可愛いけど☆」
「はぁ。もぅいい。」
何言ってんだ。こいつらは・・・。
咲夜っていう奴も。馬鹿だろ?
本当。
まぁいい。過ぎたことだ。
気を取り直せ。私。

次の日
「おはよ。松岡さん。」
その瞬間女子の視線が突き刺さる。
「・・・・・・・・・。」
「おはよ~歩美ちゃん!」
「・・・・・・・・・。お・・・はよ」
「困ってる歩美ちゃんも可愛いね☆☆」
「は~もぅホントやめろお前ら。私は可愛くない。お世辞でも言うな。」
「・・・。なっなんか歩美ちゃんって全然想像と違うね。」
「引いただろ?」
「俺は引かねぇよ?」
こいつ・・・。えーと確か立花尚人だっけ。
こいつはイイヤツだな。
「お前のこと気に入った。」
ちっ。めんどくせぇ。
何このありありな展開。
「気に入られたくない。」
トン
なっ!!!こいつ・・・てかこれって壁ドンか?
人生の中で壁ドンなんかされないと思ってたが・・・。
あいつは耳元で・・・
「覚悟しとけよ?」
は?何言ってんだ?
なにを?
そう思ってるうちにあいつは去っていった。
私はズルズルとその場に座りこむ。
珍しく顔が熱い。
「何なんだよ・・・ほんと。」
その声は女子の黄色い声でかき消された。