『歩美side』
文化祭当日。
メイド服を着てみんなの前へ。
出た瞬間・・・シーン。
なんで?
「あゆみんちょー可愛い~」
「お前の方が可愛いぞ。」
「は~。あゆみん自覚して。」
「?なにを?」
ほんとバカなんだからと美香は呟く。
いちいちムカつくな。
何を自覚すればいいんだ?
わっかんねぇ。
『只今より第34回桜ヶ丘高校文化祭を開催します。』
おっ始まったな。
やるからには全力でいくぞ。
おっ1人目。
「あゆみんいっけー☆」
「おいっちょっ・・・」
お客さんの目の前までくる。
「お帰り。・・・旦那。」
これでいいのか?
美香のほうを見ると口パクで・・・
そんなあゆみんもいいね☆
って言ってる。
はぁ?意味わからん。
まぁほっといて、席を案内する。
「決まったら呼んで。」
そう言って美香の元に戻る。
「あゆみんいいね☆☆」
「はぁ?何言ってんだ?」
そう言ってると、歩美ちゃーんと呼ばれた。
「注文は?」
「ラブリーオムライスで」
「・・・。分かった。ちょっと待ってろ。」
ラブリーオムライスと裏に伝える。
それにしても・・・
何なんだよ。ラブリーオムライスって。
美香に聞いてみると・・・
「メイドがオムライスのケチャップでお客さんの名前を書くんだって・・・しかも、後ろからギュッてしてだって!」
・・・はぁ?そんな事するのか?
なんて考えてると・・・
「はい。できたよ。・・・ちゃんとやってよね」
マジか・・・。
客の前まで持っていく。
はぁ・・・やるしかないか
後ろへ回る。
「・・・名前は?」
「はい!えっと和己です////」
「和己・・・な。いい名前だな。・・・っとできた。ほら・・・食べな。」
「あっあざっす!」
美香の元へ戻る。
「いや~あゆみんの破壊力ハンパないね♡」
「はぁ??」
次の客は・・・っ?!
まじかよ・・・。立花が来た・・・。
「ここは~あゆみん行ってきな☆」
「ちょっおいっお前何にもやってねぇじゃねぇかよっ!」
立花と中岡の前まで行く。
「お帰り。・・・旦那。」
何これ恥!
「こっちだ。」
席までくる。
「決まったら呼んで。」
そう言って去ろうと思った瞬間・・・
服の裾をキュッとつかまれる。
っ?!!
「なに?・・・立花。」
「俺は・・・お前が欲しい。」
は?
「嘘でも恥ずいからやめろ。」
「・・・。じゃぁ、ラブリーオムライス」
・・・。マジか・・・。
「・・・。分かった。」
・・・・・・。
「はい。できたよ。」
立花の前に持ってくる。
ガチで恥ずい。マジであれ・・・やんの?
好きな奴にすんの結構ヤバイ。
はぁ~やるか
ギュッ
っ~。
「・・・早く書けよ。」
「っ!・・・分かったよ。・・・・・・っとはい。」
「ありがとう。」
立花の笑顔がこんなに可愛いなんて思わなかった。
キュンってなった。
なんだよ。これ。