ジュースがくるまでのじかん、
愛とうっきーのデュエットとか
のんちゃんのお得意の演歌とかを




楽しみながら聴いていた。




だけどずっと爽くんはスマホを
いじってるまま、




もしかして彼女と…………?




そんな事考えて不安になっていたら



ガチャ




個室の扉が開いて店員が入ってきた。




店員はトレーに乗せたジュースと
お菓子を机に乗せて、すぐに出ていく。




みんなジュースやお菓子に手を伸ばしていると
隣の爽くんも目の前のコーラが入ったコップを
見つめていた。




『………なあ、
俺がなんでコーラ頼んだかわかる??』



『え、え??』




今までコーラと呟いて以来、全く
喋っていなかった爽くんが
ふと私に聞いてきた。



いきなりのことで、かなりびっくり
しちゃったけど


せ、せっかく質問してもらえたんだから
ちゃんと答えないと…!




私はうーん。と考え込む。



だけどジュースを頼むのに
いちいち理由なんてあるのかな。


ただこれが飲みたい…とかじゃないの?





それだったら、わざわざ
聞いてこないよね………??




『時間切れ。』



爽くんはポツリとそう呟いて
鞄の中をゴソゴソし始めた。



がっくし。




なんで私、答えられなかったんだろ。
当たってなくても良いから
なんかいえば良かった。



『見て。』



肩を落としている私の目の前に
棒状の何かが突きつけられた。



暗くて良く見えないけど
これは…………え?…メントス??




え。え。もしかして爽くん……………





『正解は実験をするためでしたー。』



そう悪戯っぽく私に笑いかけた爽くんは
ポトっとコーラの中にメントスを入れる。




『え!爽くん!え!!わ!!!』





メントスが入ったコーラは
シューッといいながら泡を吹き出していく。



歌っている愛達は気づいていないみたいだけど
ちょっとこれ大丈夫なの!?



『まじウケる!』



でも泡を見ながら楽しそうに
爽くんは笑った。



それを見て、よく分からないけど
私も笑った。




だって爽くんが笑ってるのが嬉しくて
あとで片付け大変だな。とか考えながら



私は『あー、終わっちった』と
残念そうな爽くんの横顔を見つめた。