だけど爽くんは女の子から人気者。





クールな性格とかもそうだけど
なによりかっこいい。




少しだけクセのついた黒い髪と白い肌。
切れ目の瞳とスッとした鼻。
線の薄い体と長い脚。



全部大好き。




だから今、私の隣に爽くんがいるのが
すごく嬉しい。




私はスマホの液晶の光に照らされている
爽くんの横顔を見つめながら

勇気を振り絞って
声をかけてみた。






『爽くん、なにか飲む?』




私はメニュー表を広げて
爽くんに見せる。


爽くんは何も言わずに
メニュー表をじっと見つめていた。




長い沈黙の中、
表情1つ変えないまま






『…………コーラ』




そう一言呟いて、爽くんはまた
スマホに視線を戻した。




あー、もう!
少しは喋ってくれたっていいじゃない!




内心はそう思いながらも私は



『おっけー!じゃあ私は
メロンソーダにしよっと♪』




って明るく答えた。