爽くんが帰っていったのを見届けると
違う道から誰かがやってくる足音が。
『あれ?美月?』
『あ!優馬!!』
優馬は私のところに自転車をひきながら
歩いてきた。
久しぶりに見た優馬はまた男らしく
なっている。
こんなにかっこよかったら
彼女なんて出来まくりなんだろうな。
『めっちゃ久しぶり!あれ?また縮んだ?』
優馬は自分の頭の先と私の頭の先を
交互に手で比べる素振りを見せる。
『縮んでない!優馬が伸びたんだよ!』
小さい頃は身長をよく争っていたけど
今ではかなりの差が出来て一目で
勝負は決まっている。
寂しいけど嬉しい。
『今日、お母さん家にいんの?』
『あ、きっといないと思う』
私のお母さんは看護師で
夜勤が多いから私が帰ってきた時は
家に誰もいない。
お父さんがいないから
仕方ないんだけんだけどね
『そっか、じゃあ今日俺んちで
メシ食ってけよ』
『え!やった〜♪♪』
優馬のお母さん、料理すっごく
上手だから嬉しいっっ!

