ギターを弾き始めた彼女は
優しい顔をしていた
父親のギターを受け継いだらしい

素人の僕にはわからないけど
僕は彼女のギターが好きだった


『上手だね』

「ありがとう」

『とても綺麗な音だよ』

「ほんとに?」

『本当だよ、優しい音だった』

「私には音が聞こえないから
わからないけど翔君が綺麗って
言ってくれてよかった」

手話でそう言ってほっとした彼女の顔は
とても可愛かった