「 あのー 」

あ、私か⁉︎

「はいっ」

「初めまして。小々波 琴香です。よろ

しくねー」

「わっ私、仲里 沙織。よろしく!」

やった!早速友達できちゃった!

「それで、えっと、そのー…」

嬉しがる私をよそに、なんだか気まず

そうなその子。

「どうかしたの?」

すると、その子…琴香は、言いづらそう

に口を開いた。

「あのねー…本当に言いづらいんだけ

ど、スカートの…」

えっ⁉︎何かと思えば、スカート⁉︎

「なっ何々?」

「スカートのチャック…」

え?

「チャック、全開だよ?」

チ、チャック⁉︎えっ⁉︎えぇーー⁉︎

慌ててチャックを確認すると、あ、本

当だ開いてる…

「琴香って呼んでいいよね?ありがとー

ー!」

1日中そのままだったら、私の高校生活

終わってたよ。

「うん。私も沙織って呼ぶね。あ、チャ

ックのことは、こっちが気になってしょ

うがなかっただけだから…」

あー…若干パンツ見えてたしね。

「本当、恥ずかしい…」

これで登校してきたなんてーー‼︎

初日だってことに浮かれすぎてたかも

。気をつけなきゃ。

「ま、まぁ大丈夫だよ!少し、本当少し

気になるかなーくらいだったし…」

それもそうか。誰も、私のパンツなん

て見たくないよね。

「でもそれ、フォローになってないー」

なんて、変な気の使われ方をされなが

ら、高校生活1日目がスタートしたので

した。