筋トレ倍は、ムリ!!




ただでさえ、筋トレ好きな大也さんに付き合わされてキツイのに…





何も知らない智哉がいきなり筋トレ倍になったら、オレが何かやらかしたと思われてるな…




何奢らされる?




いや、それで済むか?!




それも困る…




手紙を見つめながら、動けなくなった。




「どーしたの?」



眉間にシワを寄せて真剣に考えこんだオレに、遊実がゴワゴワ聞いてきた。




「これ…」




手紙を差し出した…




やるやらないは別にして、遊実には知る権利がある。







内容を読み終わり、考え込んだ…






「アイツって、誰?

静香センパイじゃないよね?」




「あぁ… でも、言っていいのかなぁ?

プライバシーじゃないか?」




「そこ?!

筋トレ倍だよ?

翔平、筋トレ嫌いだったよね?」




ゔっ!



よく知ってる…




でも、オレのくだらない話をちゃんと聞いていてくれていたことが嬉しいなんて思ってしまう。




チュッ



頭にリップ音付きのキスをした。



頭に手を置き、真っ赤な顔してオレを見つめる。





「好き!」



極上スマイルで見つめ返すと、目をそらされた。







ギリギリ聞こえる声で、




「あたしも… 好きだよ…」