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途中から、オレは遊実を送って行くことになった。



知里が何が言いたそうだったけど、何も言わず智哉と帰っていく。






駅から遊実の家まで歩いているけど、どちらも口を開かず…



遊実ん家、どこかわかんない…



あと、どのくらいなんだろう…



そろそろ、何か話さないといけないと思うんだけど、なんの話題も出てこない…



オレから何か言わないと…



今まで頑張ってきた関係が終わってしまう…

智哉の言葉が蘇る。



それだけは、絶対ダメだ!




でも、何を話したら…







「うち、そこなの…」




えっ…


駅からこんなに近いのか…




何か…




何か言わなきゃ…




考えれば考えるほど、言葉は出ない。



「ありがとう…」



かすれた遊実の声を聞いて出たのは




「おやすみ…」


「おやすみなさい…」


目を合わせることもなく、遊実は家に入っていった…









終わった…



今まで、少しずつ積み重ねてきたものが全部なくなった…




そこから、どこをどうやって帰ったか記憶がない…