智哉に腕をつかまれて、少し離れた場所に連れて行かれた。



「なんだよ!

オレ、花火見たいんだけど!」



「翔平、そんな花火好きだったか?」



「今年の花火は、今年だけなんだ!」



「はぁ?

意味わかんねーし!」



オレだって、言ってて意味わかんないけど…



「話ないなら戻る!」



歩き出そうとすると…



「バスケ部入ることになった…

翔平も入らないか?」







頭がおかしくなったのか…?



高校入っても一緒にバスケ続けるつもりだった。



入学前に智哉が吉雪センパイに惚れて



「やっぱ、入らない」って言ったんだよな?



三浦センパイに何言われたんだ?



「翔平も誘っとけって言われたから、一応…?」



「なんだよ、それ?!

オレ、今いいとこだから、ムリだし!」



思わず、荒げた声を出してしまった。





相川さんのほうに目を向けると、高梨さんがこっちを怪訝そうな顔で見ていた…



それに智哉が気付いて



「ケンカじゃないから!

翔平、うるさい!」



頭をパシッと叩かれた…


オレのせいか?!




智哉が顔を寄せてきて、小声になって
三浦センパイとの話を教えてくれた。