「あっ、あれじゃない?」
相川さんが指さした先に、高梨さんを見つけた。
花火を見るには少し離れているけど、智哉が相川さんのことを気にしてこの場所を選んでくれたのがわかった。
周りに人がいるけど、気になるほど近くにはいない。
「ありがとう…」
「ん。
具合悪くなったら言って。
送ってくから」
「わかった、本当にありがとう」
ニッコリ笑うと、高梨さんのところへ行った。
繋がれていた手が、寂しい…
もっと、つないでいたかったなぁ…
「知里、ごめんね。遅くなって…」
「あっ、ううん…大丈夫?」
「うん! もうすっかり」
遊実の笑顔にホッとした。
「中田くん、ありがとね!」
高梨さんにお礼を言われることは何もしてない。
オレがいたかったんだから…
「全然!
それより、智哉は?」
「うん…
ついさっき、三浦センパイ見付けて行っちゃったんだ…
大丈夫かなぁ?」
三浦センパイ?
あぁ、球技大会のときの…
何してるんだよ…
こんなところに、女の子一人残して!
「女の子1人にするなんて、信じられないよなっ!
戻ってきたら怒鳴りつけてやる!!」
半分冗談、半分本気のようなチャカした感じで言ったが、内心イライラしていた。
高梨さんに何かあったら、相川さんが悲しむじゃないか!
具合が悪いときも、ここまで来るまでも、「知里、大丈夫かなぁ」ってずっと気にしていたんだから!


