「知里?

花火大会、どーする?」





「あっ、あぁ…」




智哉と相川さんが一緒にいる姿は見たくない…




断ってくれ。




拳にさらに力がこもる。







パチン!



ハッと見ると、相川さんが手を叩いた音だった。




「じゃあ、こーしよう!

知里が、赤点取ったら行かない!

てか、行けない。

もし、全部合格したら、

みんなで行く!!

これで、どぉ??」




みんなを見回すように言った。



「えっ?!

それは、私の結果次第ってこと?!」




相変わらず、直感というか決断力のある子だ。




そーゆーとこも好きなんだ…



やっぱり、相川さんだけは智哉には譲れない!!



勝てないってわかってても、それでも勝ちに行くから!





「そー言ってるじゃない!」




相川さんが楽しそうに高梨さんを追い詰める。





「でも、でも…

例えば、中田くんが赤点ってことも…」






……?




はぁぁぁ?!




智哉が「あんなバカ初めて会った」と言っていた意味がわかった。





こんなこと初めて言われたよ、オレ…