相川さんのところへ行き、



目の前でパチンっと手を合わせ




「オレ、バスケの試合に出ることになっちゃった。

一緒に見れなくてごめんね…」



途端に、険しい顔になった…



「…柳澤くんも出るの?」




やっぱり智哉が気になるんだ…



「うん…

オレら元バスケ部だし、活躍するから見ててよ!」



精一杯の強がり…



智哉を見る端にでもオレが映っていたなら…



「わかった…

頑張ってね…」




何やら考えるように、難しい顔をしている。





試合開始前、久しぶりのバスケの練習をした。


コートに集まってさっきの場所を見たときには、相川さんの姿はなかった。





******


試合は、負けた…




智哉が最後のシュートを外したのは、あの声のせいだとすぐわかった…



智哉は感のいい奴だ。


きっと、吉雪センパイが違う誰かを想っていることは気付いていただろう…




「あとは、頼む…」



試合後、それだけ言うと体育館を出て行った。



オレは、追いかけることは出来なかった…


今は、一人にしてやりたいと思ったから。