質問攻めしていると思ったけど、どうしても聞きたいことがあった。


「相川さんって、英語が得意なの?」


入学式の日のことは、言えなかった。


あの日、外国人の人を助けられなかった一人だったから。




「得意ってほどでもないけど…

教科の中では一番できるかなぁ。

でも、中田くんは全教科得意でしょ?」


オレのこと見てくれてたの?

ドキッとした。



「オレ、天才だから!

英会話もできるの?」


「まぁ、ほどほどにね。

将来、客室乗務員になりたかったんだけどね…

でも、この身長でしょ…


旅行会社もいいかなぁって。


うちの両親、海外旅行が趣味でね。

小さいときからいろいろ連れて行ってもらってて。

だからかなぁ、広い世界を見てみたいの」



オレら、まだ高校入ったばっかだぞ?


そんな、しっかりした夢があることに驚いた。