「バーカ! 察しろ。
行くぞ」
智哉が呆れた顔で、知里の手首をグッと捕むと、引きずるように店を出て行った。
強引だなぁ…
でも、サンキューなっ!
「よかったのかなぁ?
あたしは、大丈夫だよ?」
2人が去って行った方を見ながら、オレに問いかけた。
「大丈夫!
たぶん、智哉も2人になりたいって思ってたはずだから。
疲れてるの気づかなくて、ゴメン。
ムリだったら、このまま座っていてもいいから」
膝の上に置かれていた手の上に、オレの手を重ねた。
その手をじっと見ていた遊実は、反対の手を重ねて
「気にしてくれて、嬉しかった…
楽しかったから、ちょっとはしゃぎすぎちゃったみたい。
座ったら、急に疲れがでちゃった…
でも、翔平はいいの?
せっかく来たんだから、乗り物乗りたいよね?」
「オレは、遊実がいればいいんだ。
乗り物なんてどっちでもいい。
クリスマスの中で、遊実といたい」
遊実を真っ直ぐに見つめて言った。
うつむき、顔を真っ赤にさせながらオレの手をギュッとにぎった。
「…あたしも、一緒にいたい」
その言葉に、理性が飛びそうになる。
なんて可愛いんだろう…
抱きしめたい…
キスしたい…
でも、ここでしたら、さすがに遊実に嫌われそう…
遊実の耳元に顔を近づけると
「さっきの撤回。
出よっか?」
そう言うだけで精一杯だった。


