「なぁ、みたか?」

「なになに??」

教室に戻ったら、みんながすこし騒いでいた。

「おっ!本人登場だー!」

そう言って、男子たちが私のことを指でさしてきた。

「なに??」

「大橋って、圭伍と、花火大会行くの?」

「なんで??」

理由を聞こうと思ったら、圭伍が、

「なんで俺が彩花と、花火大会行かなきゃ行けないんだよー!」

一瞬、圭伍がなんて言ったか意味がわからなかった。

「なーんだ、行かないのかー。」

男子たちが残念そうに廊下へ出ていった。

あたしも、悲しくて、何も言葉がでなくって、ただ、走りたくなって、教室を出ていった。

「彩花っ!」

圭伍は、私の名前を呼んでくれたけど、
振り向かずに、ただ、走り続けた。