だって、キミが好きだから。



「ねー、早く読んでー?なのちゃーん」



「そうだそうだ、早くしろー」



「あ、ご、ごめんねっ!今読むから」



談話コーナーに集まっているのは10人にも満たない子どもたち。


子ども用の遊び場にもなっているそこには、看護師さんも何人かいてくれてる。



「ねー、おにいちゃんの名前は何ていうのー?」



この中で一番小さい5歳の凛太(りんた)君が、矢沢君のダウンの裾を引っ張りながらキラキラした眼差しで見上げる。



人懐こいリン君は、子どもたちみんなのアイドルみたいな存在。



「え?俺……?」



目をパチクリさせながら、矢沢君が手で自分を指差す。



「うん。ボクは凛太っていうの。みんなからはリン君って呼ばれてるよ」